Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
こうふ
坑夫
Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate
「働くからにゃ、儲けなくっちゃあね」
と云いながら、立ち上がった。どてらが、
「全くだ。儲けようったって、今時そう儲け口が転がってるもんじゃない」
と幾分か自分に対して恩に被せるように答えるのを、
「そうさ」
と幾分かさげすむように聞き流して、裏へ出て行った。このそうさが妙に気になって、ことによると、まだその後があるかも知れないと思ったせいか、何気なく後姿を見送っていると、大きな黒松の根方のところへ行って、立小便をし始めたから、急に顔を背けて、どてらの方を向いた。どてらはすぐ、
「私だから、お前さん、見ず知らずの他人にこんな旨い話をするんだ。これがほかのものだったら、受合ってただじゃ話しっこない旨い口なんだからね」
とまた恩に被せる。自分は、面倒くさいからおとなしく、
「ありがたいです」
と四角張って答えて置いた。
「実はこう云う口なんだがね」
と、どてらが、すぐに云う。自分は黙って聞いていた。
「実はこう云う口なんだがね。銅山へ行って仕事をするんだが、私が周旋さえすれば、すぐ坑夫になれる。すぐ坑夫になれりゃ大したもんじゃないか」
自分は何か返事を促されるような気がしたけれども、どうもどてらの調子に載せられて、そうですとは答える訳に行かなかった。