Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
こうふ
坑夫
Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate
と頼んだ。しかしこの茶店に腰を掛けているものが、どうして、どこへ行って、どんな手続で坑夫になるんだかその辺はさっぱり分らなかった。
何しろ先方でこのくらい勧めるものだから、何分願いますと云ったら、長蔵さんがどうかするに違ないと思って、あとは聞かずに黙っていた。すると長蔵さんは、勢いよくどてらの尻を床几から立てて、
「それじゃこれから、すぐに出掛けよう。御前さん、支度はいいかい。忘れもののないようによく気をつけて」
と云った。自分はうちを出る時、着のみ着のままで出たのだから、身体よりほかに忘れ物のあるはずがない。そこで、
「何にも無いです」
と立ち上がったが、神さんと顔を見合せて気がついた。肝心の揚饅頭の代を忘れている。長蔵さんは平気な面をして、もう半分ほど葭簀の外に出て往来を眺めていた。自分は懐中から三十二銭入りの蟇口を出して饅頭三皿の代を払って、ついでだから茶代として五銭やった。饅頭の代はとうとう忘れちまって思い出せない。ただその時かみさんが、
「坑夫になって、うんと溜めて帰りにまた御寄」
と云ったのを記憶している。その後坑夫はやめたが、ついにこの茶店へは寄る機会がなかった。