Classici giapponesi con furigana
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こうふ
坑夫
Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate
つまり往来で人と行き合った時、こっちは突ッ立ったまま、向うが泥濘へ避けてくれる工面ばかりしていたのだ。こっちが動かない今のままのこっちで、それで相手の方だけを思う通りに動かそうと云う出来ない相談を持ち懸けていたのだ。自分が鏡の前に立ちながら、鏡に写る自分の影を気にしたって、どうなるもんじゃない。世間の掟という鏡が容易に動かせないとすると、自分の方で鏡の前を立ち去るのが何よりの上分別である。
そこで自分はこの入り組んだ関係の中から、自分だけをふいと煙にしてしまおうと決心した。しかし本当に煙にするには自殺するよりほかに致し方がない。そこでたびたび自殺をしかけて見た。ところが仕掛けるたんびにどきんとしてやめてしまった。自殺はいくら稽古をしても上手にならないものだと云う事をようやく悟った。自殺が急に出来なければ自滅するのが好かろうとなった。しかし自分は前に云う通り相当の身分のある親を持って朝夕に事を欠かぬ身分であるから生家にいては自滅しようがない。どうしても逃亡が必要である。
逃亡をしてもこの関係を忘れる事は出来まいとも考えた。また忘れる事が出来るだろうとも考えた。