Classici giapponesi con furigana
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こうふ
坑夫
Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate
ところがこの町には飲食店がだいぶんある。旅屋とか料理屋とか云う上等なものは駄目としても、自分と長蔵さんが這入ってしかるべきやたいち流のがあすこにもここにも見える。しかし長蔵さんは毫も支度をしそうにない。最前の我多馬車の時のように「御前さん夕食を食うかね」とも聞いてくれない。その癖自分と同じように、きょろきょろ両側に眼を配って何だか発見したいような気色がありありと見える。自分は今に長蔵さんが恰好な所を見つけて、晩食をしたために自分を連れ込む事と自信して、気を永く辛抱しながら、長い町を北へ北へと下って行った。
自分は空腹を自白したが、倒れるほどひもじくは無かった。胃の中にはまだ先刻の饅頭が多少残ってるようにも感ぜられた。だから歩けば歩かれる。ただ汽車を下りるや否や滅り込みそうな精神が、真直な往来の真中に抛り出されて、おやと眼を覚したら、山里の空気がひやりと、夕日の間から皮膚を冒して来たんで、心機一転の結果としてここに何か食って見たくなったんである。したがって食わなければ食わないでも済む。長蔵さん何か食わしてくれませんかと云うほど苦しくもなかった。しかし何だか口が淋しいと見えて、しきりに縄暖簾や、お煮〆や、御中食所が気にかかる。