Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうふ

坑夫

夏目 漱石

Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate

Aozora Bunko

しかしその時その砌りの長蔵観と比較して見るとだいぶ違ってるようだ。――

自分は長蔵さんと赤毛布の立談を聞きながら、自分は長蔵さんから毫も人格を認められていなかったと云う事を見出した。――もっとも人格はこの際少しおかしい。いやしくも東京を出奔して坑夫にまでなり下がるものが人格を云々するのは変挺な矛盾である。それは自分も承知している。現に今筆を執って人格と書き出したら、何となく馬鹿気ていて、思わず噴き出しそうになったくらいである。自分の過去を顧みて噴き出しそうになる今の身分を、昔と比べて見ると実に結構の至りであるが、その時はなかなか噴き出すどころの騒ぎではなかった。――長蔵さんは明かに自分の人格を認めていなかった。

と云うのは、彼れはこの酒、めし、御肴の裏から飛び出した若い男を捕まえて、第二世の自分であるごとく、全く同じ調子と、同じ態度と、同じ言語と、もっと立ち入って云えば、同じ熱心の程度をもって、同じく坑夫になれと勧誘している。それを自分はなぜだか少々怪しからんように考えた。その意味を今から説明して見ると、ざっとこんな訳なんだろう。――

坑夫は長蔵さんの云うごとくすこぶる結構な家業だとは、常識を質に入れた当時の自分にももっともと思いようがなかった。