Classici giapponesi con furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Leggi 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 151.766 caratteri · 303 schermate
」
淡谷さんが、そういって立ちあがりました。
「ええ、だいじょうぶです。」
一郎青年が、たのもしげに答えました。
ああ、あぶない! あやしい一郎青年だけをのこして、部屋をあけるなんて! しかし淡谷さんは、すこしも一郎をうたがっていないのですから、あぶないなどとは思いません。そのまま、ドアの外に出ていってしまいました。
淡谷さんが部屋にいなかったのは、たった五分間でした。しかし、その五分間に、書斎でどんなことがおこっていたかは、だれもしりません。
淡谷さんがもどってみると、一郎青年は、もとのいすにかけて、ゆったりと、たばこを吹かしていました。
まもなく、小林少年も、食事をすませて帰ってきました。それから十時まで、三人は一度も書斎から出ませんでした。
時間のたつのが、おそろしく長いように思われました。
置時計が、八時をうち、やがて九時をうち、九時半となり、九時四十分となり、九時五十分となりました。
「あと十分で、十時ですね。」
一郎青年が、ぽつんといいました。だれも答えません。
みんな、だまりこんでいますが、心は、はりつめた糸のようにきんちょうしているのです。