Classici giapponesi con furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Leggi 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 151.766 caratteri · 303 schermate
わかるかね。つまり、いくつでも顔をもっているんだ。今までの顔だっておれのほんとうの顔かどうか、わからないのだよ。しょっちゅう、ちがった顔につくっているものだから、おれは、自分の顔を、わすれてしまったほどだよ。アハハハハ……、わかったらしいね。きみが恐れている怪人四十面相というのは、このおれなんだよ。」
一郎さんは、ギョッとして、なにか叫びましたが、さるぐつわをはめられているので、声にならないのです。
(ああ、こいつが四十面相だったのか。こうして、ぼくに化けてうちへのりこみ、みんなにゆだんさせて、宝石をぬすみだすつもりだなッ。)
一郎さんは、やっとそこへ気がつきました。しかし、どうすることもできません。ただ、そこにころがったまま、恐ろしい目で、あいてをにらみつけているばかりです。
「しばらく、そうしてがまんしているんだよ。十時すぎには、きっと帰ってきて、なわをといてやるからね。」
四十面相は、そういいすてて、部下をつれて出ていってしまいました。入口のドアにかぎをかけたことは、いうまでもありません。
それから二十分ほどたって、あの、にせの一郎青年が、淡谷邸に帰り、スミ子ちゃんにうたがわれたのです。