Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ばいしょくかもなんばん
売色鴨南蛮
泉 鏡花
Leggi 売色鴨南蛮 (ばいしょくかもなんばん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.926 caratteri · 28 schermate
「さ、さ、貴女。」
と自分は退いて、
「いざまず……これへ。」と口も気もともに軽い、が、起居が石臼を引摺るように、どしどしする。――ああ、無理はない、脚気がある。夜あかしはしても、朝湯には行けないのである。
「可厭ですことねえ。」
と、婀娜な目で、襖際から覗くように、友染の裾を曳いた櫛巻の立姿。
五
桜にはちと早い、木瓜か、何やら、枝ながら障子に映る花の影に、ほんのりと日南の薫が添って、お千がもとの座に着いた。
向うには、旦那の熊沢が、上下大島の金鎖、あの大々したので、ドカリと胡坐を組むのであろう。
「お留守ですか。」
宗吉が何となく甘谷に言った。ここにも見えず、湯に行った中にも居なかった。その熊沢を訊いたのである。
縁側の片隅で、
「えへん!」と屋鳴りのするような咳払を響かせた、便所の裡で。
「熊沢はここに居るぞう。」
「まあ。」
「随分ですこと、ほほほ。」
と家主のお妾が、次の室を台所へ通がかりに笑って行くと、お千さんが俯向いて、莞爾して、
「余り色気がなさ過ぎるわ。」
「そこが御婦人の毒でげす。」
と甘谷は前掛をポンポンと敲いて、
「お千さんは大将のあすこン処へ落ッこちたんだ。