Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ばいしょくかもなんばん

売色鴨南蛮

泉 鏡花

Leggi 売色鴨南蛮 (ばいしょくかもなんばん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.926 caratteri · 28 schermate

Aozora Bunko

」

と袖から蛇の首のように捕縄をのぞかせた。

膝をなえたように支きながら、お千は宗吉を背後に囲って、

「……この人は……」

「いや、小僧に用はない。すぐおいで。」

「宗ちゃん、……朝の御飯はね、煮豆が買って蓋ものに、……紅生薑と……紙の蔽がしてありますよ。」

風俗係は草履を片手に、もう入口の襖を開けていた。

お千が穿ものをさがすうちに、風俗係は、内から、戸の錠をあけたが、軒を出ると、ひたりと腰縄を打った。

細腰はふっと消えて、すぼめた肩が、くらがりの柳に浮く。

……そのお千には、もう疾に、羽織もなく、下着もなく、膚ただ白く縞の小袖の萎えたるのみ。

宗吉は、跣足で、めそめそ泣きながら後を追った。

目も心も真暗で、町も処も覚えない。颯と一条の冷い風が、電燈の細い光に桜を誘った時である。

「旦那。」

とお千が立停まって、

「宗ちゃん――宗ちゃん。」

振向きもしないで、うなだれたのが、気を感じて、眉を優しく振向いた。

「…………」

「姉さんが、魂をあげます。」――辿りながら折ったのである。……懐紙の、白い折鶴が掌にあった。

「この飛ぶ処へ、すぐおいで。」

ほっと吹く息、薄紅に、折鶴はかえって蒼白く、花片にふっと乗って、ひらひらと空を舞って行く。