Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
やこうちゅう
夜光虫
織田 作之助
Leggi 夜光虫 (やこうちゅう) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 66.871 caratteri · 134 schermate
一つには、一度だけこの店へ、
「まだ、店をひらいているだろうか」
と、心配しながら来てみると、案の定灯がついていて、ほっとした――というよろこびのせいだった。
それというのも、自分の生命を救ってくれた青蛇団に御馳走してやりたかったし、そしてまた、ブルウスカイでのささやかな饗宴が、もしかしたら豹吉の最後の饗宴になってしまうかも知れなかったからだ。
なぜなら、これから雪子を救い出しに行って、そのまま帰って来られないかもわからないのだ。
それだけになお一層、焼跡の中のブルウスカイの灯は、豹吉の人恋しい心をしびれるように甘く、なつかしく、温めた。
「珈琲出来る……?」
扉を押してはいると、そう豹吉はきいて、
「――ああ、じゃ、珈琲と、それから何か……、サンドイッチでも……」
「おビールは……?」
「そうだな」
と、豹吉はちょっと考えた。
最後になるかも知れない饗宴に、ビールでも飲みたいところだった。しかし、いかなる時にも冷たく醒めていたいのが、豹吉の掟だった。何ごとによらず、陶酔したり、われにもあらず昂奮したり、驚いたりすることは、豹吉の掟に反していた。
「――まア、よして置こう」