Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆめはよびかわす

夢は呼び交す

蒲原 有明

Leggi 夢は呼び交す (ゆめはよびかわす) di 蒲原 有明 (かんばらありあけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 104.126 caratteri · 210 schermate

Aozora Bunko

花袋の月はこうした澄んだ心境にあって、山松のあらしのなかに沈んでいった。花袋は自家の屋根の下で家族にまもられて死んでいったのであるが、その知死期のきわでかれの眼に浮んだのはこの嵐の中の月ではなかったろうか。かれはかれの魂を山の月に托して寂しく目をつぶったのでもあろう。鶴見は妄想がちなそんな考をさえ、繰り返し考え直しているうちにその考に客観性を生じて、今ではそうした考を信じて疑わぬようになっている。

景彦の声がする。姿は見せない。その声だけがはっきり聞えてくる。

「藤村も花袋もきみの先輩でかつまた友人であった。その二人のプロフィイルを、どういう考があって、あんな風に描いてみたのだね。素人くさいのはしかたがないとしても、陰影のとりかたなど、まずいね。対比もおもしろくないよ。それはそれとして、二人とも好い死かたをしたという、あのことをきみはどんな意味で言い出したのかそれが聞きたいな。」

「別になんでもないのさ。そう改まって聞かれるとかえって言いにくくなる。藤村は旅に出て死んだというのじゃないが、自分の庵室の静の廬を離れて他の地方で死んでいる。宗祇にしても芭蕉にしてもそうじゃないか。