Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

やまとこじふうぶつし

大和古寺風物誌

亀井 勝一郎

Leggi 大和古寺風物誌 (やまとこじふうぶつし) di 亀井 勝一郎 (かめいかついちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 108.647 caratteri · 215 schermate

Aozora Bunko

造園術と云ったものからはおよそ縁遠いように思われる無造作な庭で、何の奇もないが、あの清浄で柔軟な感じはどこから出てくるのだろう。法隆寺境内と同じ地つづきであるから、砂まじりの地質に相違ないが、その上に改めて白砂を敷きつめたのである。この効果が大きい。塵ひとつ止めぬ、掃き目の正しい白砂の庭は、尼寺の純潔と優しさに一入と輝きを添えているようだ。誰の思いつきか知らないが、日光をこれほど適切に、柔かくうける方法は他にあるまい。海岸の砂地ならば日光は強烈すぎる。また大庭園ならば徒らにきらきらして下品な感じを与えるだろう。しかし中宮寺のような狭く薄暗いほどの庭では、実によく調和して、春の夜明のような仄かでおっとりした光線を生み出してくる。これは期せずして得られた無類の芸術的光線だ。

砂の光りと日の光りが、ゆるやかにもつれあって遊戯しているようにみえる。だから砂の上を歩むのがためらわれる。つい忍び足になる。足跡を残すのは罪悪のように感ぜられるのだ。翼がほしい。光りの戯れの中を軽く飛んで思惟菩薩のもとにまいりたい。こんな思いを抱かせる庭はおそらく他にないであろう。