Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

おおとりものせんにんつぼ

大捕物仙人壺

国枝 史郎

Leggi 大捕物仙人壺 (おおとりものせんにんつぼ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 47.606 caratteri · 97 schermate

Aozora Bunko

踏み込んで行って斬り付けるのは、容易なことではあったけれど、義哉はそうはしなかった。ビューッと刀を振り廻し、

「まだ来る気か!」と威嚇した。

これは非常に有効であった。ワーッと叫ぶと破落戸どもは、手負いの仲間を捨てたまま、パラパラと四方へ逃げ散った。

その隙に義哉は走り出した。

朧ろの春の月影に、丘の方を透かして見ると、お錦をかどわかした一団は、今や丘を上りきり、向う側へ下りようとしていた。

で、血刀をさげたまま彼はその後を追っかけた。しかし頂上まで来た時には、彼等の一団は丘を下り、巴町の方へ走っていた。

そこで彼も丘を下り、彼らの後を追っかけて行った。

夜の静寂を驚かせ、彼らの走る足音は、家々の戸に反響したが、さてその戸を引き開けて、事件の真相を知ろうというような、冒険好きの者はいなかった。この頃は幕府も末の末で、有司の威令は行なわれず、将軍の威厳さえほとんど傾き、市中は文字通り無警察で、白昼切取強盗さえあった。

そこで、市民は日中さえ、店を開こうとはしないほどであった。

その時、破落戸の一団は、にわかに大通りから横へそれた。で、義哉もその後を追い、狭い露路を左へ曲がった。