Classici giapponesi con furigana
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おおとりものせんにんつぼ
大捕物仙人壺
国枝 史郎
Leggi 大捕物仙人壺 (おおとりものせんにんつぼ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 47.606 caratteri · 97 schermate
ざわざわと茂みの揺れる音、つづいて口笛の音がしたが、後は寂然としずかになった。引き違いに居間へ現われたのは、例の小間使いのお花であって、先ず静かに雨戸をとじ、それからしとやかに障子をしめた。
見れば手箱を持っている。
乙女に有り勝ちの好奇心が、彼女の心に湧いたのであろう、燈火の前へ坐りこむと、先ず髪から簪を抜き、その足を鍵穴へ差し込んだ。しかし錠前は外れなかった。
で、手箱を膝の上へのせ、しばらくじっと考え込んだ。
見る見る彼女の眼の中へ燃えるような光が射して来た。
彼女は突然叫び出した。「泥棒でございます泥棒でございます!」
そうして手早く杉の手箱を自分のふところへ捻じ込んだ。
けたたましい声に仰天して、家の人達が集まって来たのは、その次の瞬間のことであったが、いかさま縁にも座敷にも泥足の跡が付いているので、賊の入ったことは証拠立てられた。
そこで八方へ人が飛んだ。しかし賊は見付からなかった。
そうして何を盗まれたものか、かいくれ見当がつかなかった。
と云うのは金にも器類にも、紛失したものがないからであった。
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ちょうど同じ夜の出来事である。