Classici giapponesi con furigana
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おおとりものせんにんつぼ
大捕物仙人壺
国枝 史郎
Leggi 大捕物仙人壺 (おおとりものせんにんつぼ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 47.606 caratteri · 97 schermate
殺したが最後日本は闇だ。……官軍の中にも解る奴がいる。他でもない西郷だ。西郷吉之助ただ一人だ。で俺はきゃつに邂逅い、赤心を披瀝して談じるつもりだ。解ってくれるに相違ない。そこで江戸と江戸の市民と、徳川家と慶喜公とは、助けることが出来るのだ。その結果内乱は終息し、日本の国家は平和となり、上下合一、官民一致、天皇帰一、八紘一宇、新時代が生れるのだ」
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安房守はじっと耳を澄ました。
空では星がまばたいていた。ふと小銃の音がしたが、しかしたった一発だけであった。
清元の唄はなお聞えた。
「ああいいなあ。名人の至芸だ」安房守は嘆息した。それから大声でやり出した。「俺はもとからの江戸っ子だ。俺の好きなのは平民だ。勝麟太郎、これでいいのだ。つめて云うと勝麟だ。従五位も無用なら安房守も無用だ。勝麟々々これでいいのだ。だがそう云ってはいられない。勝麟では済まされない。世間の奴らが酔っていて、俺一人醒めているからよ。そこで救世と出かけたのだ。厭な役廻りだがしかたがない。扶桑第一の智者と称し、安房の国の旋陀羅の子、聖日蓮は迫害を覚悟で、世の荒波へ飛び出して、済民の法を説いたではないか。