Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おおとりものせんにんつぼ

大捕物仙人壺

国枝 史郎

Leggi 大捕物仙人壺 (おおとりものせんにんつぼ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 47.606 caratteri · 97 schermate

Aozora Bunko

義哉は清元の太夫となった。

ところでお錦はどうしたろう?

お錦の身の上にも変化があった。まず許嫁の伊太郎が、肺を病んで病没した。そうして大家伊丹屋は、維新の変動で没落した。

そこで、お錦は自然の勢いで、小堀義哉の女房となった。二人にとってはこのことは、願ってもない幸いであった。勿論琴瑟相和した。

義哉の芸名は延太夫と云った。

即ち清元延太夫である。もとが立派な旗本で、芸風に非常な気品があった。それが上流に愛されて、豊かな生活をすることが出来た。

貴顕富豪に持て囃され、引っ張り凧の有様であった。

勝海舟は風流人で、茶屋の女将や相撲取や諸芸人を贔屓にした。

そこで、延太夫の小堀義哉も、よく屋敷へ招かれた。

28

ある日延太夫は常時のように、海舟の屋敷に招かれた。

「時に先生、不思議なことがあります」こう云うと延太夫は懐中から小さい壺を取り出した。「実は小石川の古道具屋で、手に入れたものでございますが、奇怪なことには深夜になると、音を発するのでございます。それが、しかも音楽なので。……」

「ほほう、そいつは不思議だな」こう云いながら海舟は、小さい壺を手に執った。