Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 159.272 caratteri · 313 schermate

Aozora Bunko

「おい番頭、この間はいかいお世話になってしまったな」

「どう仕りまして……」

幸いに、今日は何も担ぎ込んでは来なかったが、これからどうなるかわからない、これから先が危ないのだ――番頭はこの客が早く出て行ってくれればいいと思いました。出て行ってしまったら、そのあとで戸を閉めてしまおうかと思いました。

「宇津木君、先刻は、君に飛んだところを見せてしまって面目がない」

抜からぬ面の仏頂寺に対して、宇津木兵馬が、

「一足お先へ出かけました」

「さあ、いのじヶ原へ行こう」

番頭を安心させたのは、仏頂寺、丸山が店へ腰を下ろさないで、先来の客を促して、前途へ向けて出発を急ぐからであります。全く、こういうお客は、一刻も早く立去ってもらいさえすればよい。

三人が打連れて、いのじヶ原方面へ立去ったので、番頭の面に初めて生ける色が現われました。

兵馬を中に挟んで、峠の道をやや下りになる仏頂寺と丸山。

兵馬は、ここで奇態な人間だと、少々煙に巻かれました。

さいぜんの醜態は感心しないが、あの醜態を少なくとも忽ちの間に脱却して、相当に旅装を整えて、一気に、ここまで駈けつけて来た転換の早さは、相当に感心しないわけにはゆかない。