Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 159.272 caratteri · 313 schermate
その仔細はこうである。
はじめ――嘉永の二年ごろ、斎藤弥九郎の長男新太郎が、武者修行の途次、長州萩の城下に着いた。宿の主人が挨拶に来た時に、新太郎問うて曰く、
「拙者は武者修行の者であるが、当地にも剣術者はあるか」
主人の答えて曰く、
「ある段ではございませぬ、当地は名だたる武芸の盛んな地でございまして、近頃はまた明倫館という大層な道場まで出来まして、優れた使い手のお方が、雲の如く群がっておりまする。あれお聞きあそばせ、あの竹刀の音が、あれが明倫館の剣術稽古の響きでございます」
新太郎、それを聞いて喜び、
「それは何より楽しみじゃ、明日はひとつ推参して、試合を願うことに致そう」
そこで、その夜は眠りについて、翌日、明倫館に出頭して、藩の多くの剣士たちと試合を試みて、また宿へ戻って、風呂を浴びて、一酌を試みているところへ、宿の主人がやって来る。
「いかがでございました、今日のお試合は」
新太郎、嫣乎と笑うて曰く、
「なるほど、明倫館は立派な建物じゃ、他藩にもちょっと類のないほど宏壮な建物で、竹刀を持つものもたくさんに見えたが、本当の剣術をやる者は一人もない、いわば黄金の鳥籠に雀を飼っておくようなものだ」