Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 86.467 caratteri · 168 schermate

Aozora Bunko

慾にありて禅を行ずるは知見の力なりと、古哲も仰せになりました」

弁信の返事は、お雪ちゃんのピントに合っていないようでしたが、さて、お雪ちゃんは、ちょっとその後を受けつぐべき言葉を見出し得ませんでした。

二十五

「それはそうと弁信さん、あなたはこれから、わたしを捨てて、何の用があって、どこへ行くつもりですか」

「さあ……」

お雪ちゃんに改めてたずねられて、弁信法師が返事に当惑しました。

「さあ、そう改まってたずねられると私は困るのです、白骨にいてどうも動かねばならぬ気分に追われて動いて来ましたが、ここでわたくしの頭が、わたくしの足を止める気にならないのが、不思議なのです」

「わたしに逢いに来てくれたんではないのですね」

「いや、やっぱりあなたに逢いたい一心で、命がけで白骨まで来たのですから、ここで逢いたいに違いないのですが、どうもわたくしの足が、この地にわたくしをとめてくれないので、どうにもなりません」

「どうしたのでしょう、わたしは、弁信さんが二人あるように思われてなりません、今ここにいる弁信さんは、弁信さんに違いないけれど、わたしの弁信さんは、まだほかにあるような気がしてなりません」