Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 254.021 caratteri · 495 schermate

Aozora Bunko

「石部には大黒屋という宿がある、あれへ行っておとなしく泊っていな、明日の晩までにはおいらが大物を一つ料って、石部の宿のお前のところまで駈けつけよう」

「じゃ、そうしておくれ」

「合点だ」

「寒い!」

お蘭どのが、わざとらしく肩をすぼめて、暁の風が身に沁みるという風情をして見せると、

「寒かあ寝なな」

一番鶏か、二番鶏の音が、関のこなたで声高く聞える。

「お先へ御免よ」

お蘭どのが、みえもたしなみもなく、寝床の中にもぐり込んで、そこで頭を出して、プカプカと煙草を喫み出したが、がんりきの野郎は、寝たいとも、休みたいとも言わず、

「ああああ、つまらねえ、誰かのように人に働かせて、たんまりと据膳を食って、あったかく寝ている身分になりてえが、持って生れた貧乏ひまなしで、そうもいかねえ」

「勝手におしよ、酔興のくせに」

お蘭どのは猿臂をのばして、煙管の熱い雁首を、いきなり百の野郎の頬っぺたに押しつけたものだから、百の野郎が、

「あ、つ、つ、つ」

と言って横っ飛びに飛び上りました。

五十三

同じ胆吹山麓圏内の西南の麓、琵琶の湖北の長浜の町は、今晩は甚だ静かでありました。