Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 254.021 caratteri · 495 schermate
つまり、こうして棄てて置いて、棄てた主は早くも姿をくらまし、棄てられた子は、その当座だけは、徳利の乳の甘さに我を忘れてほほ笑んでいたと見えたのが、今それに飽きてみると、はじめてわが身の孤独を感じ、親を呼んでみたが、いつものように温かい手を与えてくれないところから、急に咽び泣きを立てたものらしい。
しかし、しくしくと泣いたが、暫くするとまた黙ってしまいました。この子は性質のおとなしい子であるけれども、やがてまた、わっと泣き立てました。それから暫く声を引いて泣きつづけたのですが、いつかまたまた、おとなしくなって泣きやみました。泣きやんだかと思うと、また糸を引くように咽び出しました。しかし、これがかえって、聞く人の腸を断つものがありました。聞く人がないからいいけれど――いいか悪いか知れないけれど、こういう場合に於ては、火のように泣き立てられることの方が、かえってこれほどにいじらしくない。
泣きやみ、泣きつづけて、そう長くは繰返されないで、やがて連続的の泣き声となりました。天地の間に親を求むる声です。それが人の腸を掻きむしらなければ、世に人の腸を掻きむしる声はない。