Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 254.021 caratteri · 495 schermate
「いや、これはこれは、事改まって異様なるおんのうせ」
扇子でピタリと自分の頭を叩いて言いました。
「お絹様――ペロに翻訳をいたしましてマダム・シルク――あの方が、真実正銘のラシャメンになりきったかとの御尋ね、これはほかならぬお殿様のおんのうせとしては甚だ水臭い」
「野だわ言を申さず、はっきりと白状しろ、あの女は、このごろは異人館へ入りびたりだ、ちっともここへは落ちつかない」
「そりゃそのはずでございます――お絹様は遠大なる目的を以て、異人館に乗込んでいらっしゃる、その遠大なる目的の、遠大なる所以に至っては、どなたよりも、こちらの殿様が御承知のはずでいらっしゃる、それをいまさら改まって、お絹はラシャメンになりきったのか、キシメンにのしきったのかというようなお尋ねは、いささか水臭いおたずねじゃないかと、びたは心得ます」
「うむ――それはそんなものかも知れないがな」
と神尾は、強いて癇癪をおしこらえるように、言葉を胸の中へ一ぺん送り返して、また言いました、
「そりゃ、そんなものかも知れないが、世間には木乃伊取りの木乃伊というのがある」
「これはまた我々共を御信用ないこと夥しい、いささかな邪推、中傷……マダム・シルクに限って――それに参謀として目から鼻へ抜けるボーイの忠作君、また物の数ならねどかく申す鐚助」