Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 254.021 caratteri · 495 schermate
しないではない。
それは、鯉ではなく、鮒でも、ハヤでもないことは一見して明らかである。長さは一尺ばかりあるが、全身の鱗が、さながら蛇のようで、一見、人をゾッとさせるものはある。
「君は知るまい、これはカムルチという魚なんだ、怖るべき奴だ。何故にこいつが怖ろしいかといえば、第一、こいつは、他の良魚よりはすばらしい蕃殖力を持っていることだ。蕃殖力というのは、卵を産んで、その仲間を殖やす力だ。こいつがすばらしい蕃殖力を持っている上に、見る通り獰猛な奴で、他の魚類を手あたり――ではない口当り次第に食い荒すのだ。この通り鋭い歯で、単に食い荒すだけならいいが、こいつが殖えると、他の魚類という魚類を食いつくしてしまうのだ、つまり、他の魚類を根絶やしにしてしまうのだ。なんと、魚類にとってこれより怖るべき奴はないと同様、漁をして生活をしている人間共にとっては、またこのくらい害をなす奴もないものだ。また、この口中の歯並みを見給え、細かいけれど、この鋭いことを見給え、こいつでもって、あらゆる魚類を歯にかけるのだ。そうして、こいつは、生意気に、時々水面から口を出して空気を吸って、鯨の真似をする、かと思えば、泥の中に深く身を隠して、韜晦する横着も心得ている。