Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 254.021 caratteri · 495 schermate
時に、日が暮れかかりました。
「オ嬢サン、提灯ヘローソク入レマス、オ待チナサイ、ソウシテ、今夜ワタシ、アナタノ淋シイノヲ慰メルタメニ、一晩中、器量一パイウタイマス、ワタシ、知ッテル世界ノ国々ノ唄トイウ唄、ミンナ歌イマス、イチバンシマイニ日本ノ、歌イマス……夜ガ明ケテモカマイマセン」
マドロスは、すっかり興奮しきっている。女も以前のようにむずかりません。
二十
そうしているうちに、北上川の沿岸に夜が来ました。
夜というものは、ありふれた風景でさえも、少なくとも一世紀は昔に返して見せるものなのですが、この辺の風物そのものが、日中でさえすでに近世紀の代物ではないのですから、夜になると、蒙蒼として太古の気が襲うのは当然です。
いいあんばいに、いつのまにか実に明るい月がかがやいていました。夜は風景を遡上して見せるけれども、月は時と人とをして、時間の上に超然たらしめる。
今の人は古時の月を見ざりしかど
今の月は曾て古への人を照らしたりき
古人今人、流るる水の如く
共に明月を見て皆かくの如けん
と微吟して、大きな柳の木蔭から、この北上川の沿岸の蒙蒼たる広原の夜気の中へ、のそりと歩き出した黒い人影がある。