Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 178.374 caratteri · 345 schermate
もう我慢がしきれないもののように、竜之助の前で前のめりに、のめってしまいました。
「お気をつけなさい」
「どうも有難うございます、もうもう、お腹がすいて、トテも歩けませぬ」
この老婆は、荷物が重いということを言わないで、お腹がすいたことばっかり言っている。八升炊きの釜の重さは、どうつぶしにかけても八貫目はあるでありましょう。この老いぼれの身で、八貫目の釜を背負い歩くということは、事そのことだけで、圧倒的の重みであろうのに、重いことは言わないで、お腹がすいたことだけを言う。そこで前のめりにのめって、老婆は、己れを圧しつぶした八升炊きの釜の下から這い出したと見ると、その釜を立て直したが、ちょうど、そこに頃合いの大石が二つ三つ並んでいたものですから、その上へ、件の大釜を仕掛けて、やがて近いところの樋の水を引いて、釜の中へ適度に流しかけたかと思うと、今度は、近いところの落葉枯枝をかき集めて、その釜の下へ火を焚きつけました。
「婆さん、お前、これから飯を炊こうというのかい」
「はい、お腹がすいて、どうにもこうにもやりきれませんから、御飯を焚いて腹ごしらえをして、それから、また出かけようと思います」