Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Leggi 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 178.374 caratteri · 345 schermate
さんは、ただ眼の前にあるからそれを見ているだけで所在が無いから、ことにお場所柄であるから、枉げて、つつましやかにしているだけのものなのです。
その時、廊下の彼方で、高らかに経を読む声が聞えました。多分お経だろうと思われる。お寺へ来て朗々と読まれる文言を聞けば、お経とさとってよろしい。お経は何のお経だかわからないが、その読み上げている主は門前の小僧であることが、お角さんによくわかります。門前の小僧ではない、本当は門内の小僧なのですが、さいぜんから門前の小僧にしてしまっているあの薄気味の悪いほどよく似た、びっこの小僧の読み立てる声に紛れもないと思いました。
全く、お角さんの思うことに間違いなく、たしかに右の門前の小僧が、廊下の一端に膝小僧を据えて、朗々と音を挙げていることは確実なのですが、それは、正式に机を置き、経文を並べて読んでいるのではない、膝小僧と談合式に、上の空で暗誦を試みているものであります。何を読み上げているのか。注意して聞けば、次のような文章を読み上げているのです。
「鎮護国家ノ法タル大元帥御修法ノ本尊、斯法タルヤ則チ如来ノ肝心、衆生ノ父母、国ニ於テハ城塹、人ニ於テハ筋脈ナリ、是ノ大元帥ハ都内ニハ十供奉以外ニ伝ヘズ、諸州節度ノ宅ヲ出ヅルコトナシ、縁ヲ表スルニソノ霊験不可思議也」