Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Leggi 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 285.635 caratteri · 558 schermate

Aozora Bunko

そこで女は寝るままに任せて、自分は荷物を枕に、合羽を引きまとうて、火鉢のそばへ横になりました。

二十

夜が明けると、兵馬は早立ちのつもり。

女はそのままにして置いて、出立してしまおうと、まだ暗いうちに浴室まで出かけました。

ところが、その浴室には、もう朝湯の客が幾人かあって、口々に話をしている。

それを兵馬が聞くと、意外でした。

その浴客らの噂は、昨晩、芸者の駈落ということで持切りです。

はてな、と兵馬が気味悪く思いました。

聞いていると、松太郎という江戸生れの芸者が、昨晩、急に姿を隠してしまったということ。

宵のうちは手古舞に出て、夜中過ぎまでお客様と飲んでいたのを見たということだから、逃げたのなら、それから後のことだという。

そこで兵馬が思い当ることあって、なお、その噂に耳を傾けていると、その芸者の身の上やら、想像やら。

その言うところによると、松太郎は江戸の生れで、この地へつれて来られたのは二三年前であったとのこと。

旦那があって、自由にならなかったということ。

それで、少し自暴の気味があって、お客を眼中に置かないような振舞が度々あったが、旦那というのは、それの御機嫌をとるようにしていたということ。