Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Leggi 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 285.635 caratteri · 558 schermate
何か縫取物をとりに行ったはずのお雪ちゃんが、存外手間がとれる。待ちこがれているわけでもないが、ちょっと行って、すぐ戻るはずの人が、存外時間をとるのは、多少共に気を腐らせるものです。
来なければ来ないでいいが、来るといってそこへ出た人が、容易に来ないのは、人をじらすようにもあたる。お雪ちゃんという娘が、決して人をじらすようには出来ていないのだが、故意でないにしても、偶然であるにしても、女は人をじらすように出来ているのかも知れない。
ところで、その間のちょっとした穴明きの所在に、竜之助は長煙管をカセに使っている。で、二三度クルクルと指の先で廻してみた長煙管を、今度はピッタリと自分の頬に当てて、ヒタヒタと叩いてみました。
無論、これは寝ていての芸当で、そう食うほどに煙草が好きというわけではないから、自然、煙管の方が扱いごろの相手になります。
ちぇッ、長い煙管がどうしたというのだ。
ふと、かれの眼前に、都島原の廓の里が湧いて出でました。
島原がどうした?
朱羅宇の長い煙管の吸附け煙草がどうした。
ははあ――御簾の間から扇の間へ出る柱のあの刀痕――まざまざと眼の底には残るが、あれが机竜之助のした業だと誰がいう。