Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Leggi 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 285.635 caratteri · 558 schermate
穂高神社の物臭太郎をたずねて来た宇津木兵馬。
くすぐったいような思いをしながら、物臭太郎をたずねてみると、どうもちょっとわからない。
所在がわからないのではない、教える人の、教え方がまちまちなのだ。ある者は、その後ろの方にあるべき塚を教えて、それが物臭太郎だといい、ある者は、その末社の一つに物臭太郎が祭られてあるといい、ある者はまた、その本社そのもの、つまり、穂高神社そのものが物臭太郎を祭ってあるのだともいい、なおある者は、物臭太郎とは、その社前の接待の茶屋がそれだ、その茶屋のある所に、昔、物臭太郎がいて、思いきった怠慢ぶりを発揮していたもののようにもいう。
兵馬には何だか、物臭太郎の正体がわからない。その名前だけは昔噺のうちに聞いているが、しかし、徹底した怠け者が神に祭られているとは、ここへ来てはじめて聞く。
ともかくも、その接待の茶屋。
これは今、風の変った立場ということになっている。土間には炉があって、大薬缶がかかり、その下には消えずの火といったような火がくすぶっている。その周囲には縁台が置きならべてある。
まだ早いから、誰もこの立場へ立寄ったものはないらしいが、火だけは、人がいても、いなくても、ひねもす夜もすがら燻っているから、自然、何となしに、人間の温か味も絶えないように見えます。