Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Leggi 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 285.635 caratteri · 558 schermate

Aozora Bunko

「いや、人間は存在しなくとも、人間の胚子、或いは精虫といったようなものは存在していたに相違ない。それが先天的の印象で、人間の形になるまで残っていて、想像が働き出した時には、生れぬ先の父でもなんでも、形に表現してみることになるのじゃないか知らん。事実、人間が想像だの、空想だの、不可思議がるものは、みな前世界の実見の表現ではないかしらと、このごろは、そう思わせられることが多い」

「そうしてみると、その前世界とか、有史以前とかいう時に生きていた不可思議な動物というのが、今日、生きていないのはどうしたのです」

「それは種が切れたのだな」

「種が……」

「今日、想像だけに上って、実際に見ることのできぬものは、すでに、その種族が絶滅してしまったのだ」

「ははあ、種切れになったのですか。してみると今日、われわれのように、人間の形をとって生きている生物も、次の世界には、種切れになってしまうと見なければならん」

「左様、この地球――この地上が、地上として今日のように固まるまでには、幾多の生物が現われて蕃殖したかと思うと、それが全く種切れになって、次の時代に移り……」

駒井甚三郎が竜の疑惑から、種の問題に進んで行く時、あわただしく金椎が紙を持って来て、二人の前に提示しました。