Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Leggi 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 285.635 caratteri · 558 schermate
「帰るに如かず……」
「帰りもあぶないものだ」
彼等は、暗い中で途方にくれているらしい。
こうなっては、杖を奪われためくら同様で、引返すよりほかはあるまいが、その引返しでさえ、うまく行くかどうか。
しかし、それは案ずるほどの事はなかったと見えて、この四人の一行は、それから間もなく、無事に江戸城外へ抜け出してしまって、八官町の大輪田という鰻屋へ来ていっぱいやっているところを見ると、七兵衛が推察通り、薩摩屋敷の注意人物に相違ない。
この時は、無論、忍びの装束なぞはどこへかかなぐり捨てて、いずれも素面で、いっぱいやっているところは、何のことはない、丸橋忠弥を四人並べたようなものです。
「ほかのものはとにかく、摺付木をなくしたのが惜しい」
と忠弥組の一人、落合直亮がいう。
その当時、長崎から渡って来たばかりのマッチは貴い。
「品物を手に入れて置いて、ろうそくを消せばよかった」
忠弥組の第二、関太郎が残念がる。
とにかく、手に入れたもの同様にかたわらへ置いたのが、あの際、見つからなくなったのは不思議だ――と、どこまでも解せない顔だが、この連中は深く頓着はしないらしい。