Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Leggi 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 368.567 caratteri · 720 schermate
「どうです、傷は痛みますか」
とピグミーが言いました。
「別段、痛みはしませんが、これが人様の眼に触れて困ります。甲州の上野原の月見寺の時の怪我なんだろうと思いますが、ふだんはなんともございませんが、どうかすると、弁信さん、お前は大変な怪我をしているではないか、肩から左の脇腹まで、袈裟がけに刀を浴びせられていますね、よくその傷が治りましたねえ、痛みはしませんか、とこう言われて、はじめて私が驚くのでございます。私自身にはなんとも、痛みも、痒みも、残るのではございませんが、人様がそうおっしゃって、私を慰めて下さるので気がつきます。着物の上からまで、そんな創痕が見えるんでございますか知ら」
弁信が白い布を懐ろへ入れては出し、入れては出しして見せる。それが、その度毎に血に染まっているのです。弁信自身は、拭うても、拭うても、拭いきれぬ血を拭いているとは思わないでしょうが、見ているピグミーは、眼を皿のようにして、そのおびただしい血痕が、弁信のいずれの肢体から滲み出でるのだか、驚惑と、興味と、恐怖とに駆られて見ていたが、やがて気の毒そうに、
「弁信さん、お前もかなり疲れているから、お休みなさい、おいらはこれから出かけます」