Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Leggi 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 368.567 caratteri · 720 schermate
「え、それは、その、憚りながら、私共の商売だもんでございますから」
「あ、わかりました、そちは金銀が欲しいのだろう、金に困って、盗みに来たものだろう」
「え、左様なわけでもございません、それは時と場合によりましては、ずいぶん、お金が欲しくて、皆様のところへ頂戴に上ることもないではございませんが、今晩、このところへ参上致しましたのは、お金が欲しいためではございません、お金が欲しいくらいならば、この清洲へは参りません、柿の木金助ではございませんが、あの名古屋のお城のてっぺんに上って、いただいて参ります」
「憎い奴じゃ、何のたくらみあって、これへ来ました、一刻も早く立去らねば、容赦はしませぬぞ」
許すまじき気色を、障子の外では存外、安く受取って、
「奥様……実のところは、ふとした縁で、銀杏加藤の奥方様、つまり、この障子の内においでなさるあなた様が、尾張の名古屋の城下では、第一等の美しいお方でいらっしゃるというお噂を伺ったものでございますから、一度お目にかかって置きたいと存じました」
「お黙りなさい!」
その時、夫人の手にあった薙刀の刃風がはやかったか、縁からころげ落ちて、植込へ飛び込んだがんりきの逃げっぷりがはやかったか、とにかく、一たまりもなく、この色きちがいのやくざ者が敗亡して、消え失せてしまったことは事実です――