Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Leggi 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 368.567 caratteri · 720 schermate
「白骨じゃ、このごろ、お化けが出るって評判ですが、本当でござんすかね」
と言いました。
「お化け、そんな話は聞かなかったよ――」
兵馬が答えると、
「こちらでは、もっぱら、そんな評判でございましたよ」
「ははあ、冬籠りの人も二三いるにはいましたけれど、お化けのことは誰も言いませんでした」
人からお化けと問いかけられて、はじめて兵馬は、なんだか白骨の思い出に、寒さを感じたようなものです。
その事。兵馬自身こそお化けにはつけつ廻されつしているではないか、仏頂寺、丸山の亡者はいわずもあれ。
そのほかに、何が白骨にいたか。何にもいないから手を空しうして、こうしてやって来たのだが、さていたかと言われてみると、考え直してみたくなる。
ここ、平湯で、平々淡々として、明るい気分の湯に浸っているのとは、周囲も、気分も、全然違い、ここへ来て見るとはじめて、たしかに白骨には何かいたという気分がしてならない。あの短笛の音も変じゃないか。あの娘――あの冬籠りの人々――二階から三階にわたる陰気なる夜の音。
上から射す初冬の光線は極めて明るかったが、その明るさも、いま考えてみると杲々とかがやき渡る太陽の光の明るさではなかったようだ。