Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Leggi 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 368.567 caratteri · 720 schermate
そこで、またはじまったな、困ったものだな、せっかく、鎮静しかけた病気が、またきざし出して、時と所とを嫌わず飛び出すあの娘の病気、今夜という今夜、またきざしたのだ。しかし、自分がここにめぐり合わせたのは勿怪の幸い。
それとじゅうぶん合点が行ったから、駒井甚三郎は、むしろ網を張るような心持で、両手をひろげて待っていると果して、たあいもなくその網にひっかかってしまいました。
「まあ、殿様!」
もゆる子は、駒井の面にすがりつくように立ちどまって、
「こんなに、おそく、こんなところにおいでになろうとは存じませんでした」
「お前こそ」
「いいえ、わたしのは、こうして逃げ出して来るわけがあるから、逃げ出したのでございます」
「どうして?」
「逃げなければならないから、逃げ出して、殿様のお部屋へ逃げ込みましたけれど、どうしたものか、殿様がいらっしゃらないものですから、たまらなくなって、窓から飛び出して逃げて来ました」
こう言って、女は嵐のように息をきる。しかし、これも、深くは駒井を驚かすことはありません。やはり例によっての病気のきざしのさせる業だと思いましたから、それをなだめるような気持で、