Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Leggi 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 368.567 caratteri · 720 schermate
「あれ、マドロスさんが……」
なるほど、多数の中に揉まれ揉まれて来るマドロスの姿は、誰が見てもそれに相違ないが、その取扱いっぷりの荒っぽいこと。
マドロスは、高手小手にひっくくられている。それを、袋叩きにぴしぴしとひっぱたきながら、多勢で引摺って来る。
この毛唐め、図々しい毛唐、泥棒根性の毛唐、こんな奴は痛しめろ! というような声で、引摺りながら、いい気になって、ぴしぴしとひっぱたいている。
ぴしぴしとひっぱたかれる度毎に、
「御免下さい、ゴメン、ゴメン」
といって、泣き叫ぶマドロスの声を聞く。
食卓の一同は、言い合わせたように箸を置き、フォークを捨てて立ち上りました。
こうして、村人や造船所の連中に、ひっぱられて来たマドロスが、庭に引据えられて、駒井の訊問を受くるの段取りとなったのは間もないことであります。
庭に引据えられたマドロスは、なお盛んに泣いている、大声をあげて泣いている、本当の手ばなしで泣いていて手がつけられない。さすがの駒井もその醜態を見て、空しく失笑するのみでした。
駒井は、許すべしとも、許すべからずとも言わず、造船所連は一応マドロスを殿様の面前に引据えてから、窮命の意味か、禁獄のつもりか知らないけれど、そのまま、物置の中へ抛り込んで置いて、一同は引上げてしまいました。