Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Leggi 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 368.567 caratteri · 720 schermate
縛られたまま、物置の隅に投げ込まれたマドロスは、そこで、相変らず大きな声をあげて泣き叫んで、ゆるしを乞うている。ずう体に似合わない泣き虫。
引捉えて来た造船所連の告げるところによると、この泣き虫は今早朝、ある漁師の家の附近にうろついているところを、大勢してとっつかまえて、必死に抵抗するのを、ようやくのことで縄にかけて来たのだとのこと。
けだし、しかるべき山中の洞穴かなにかに、身をひそめていたやつが、空腹に堪え兼ねて、人里へうろつき出したところを、引捉えられてこの運命ということらしい。
物置へ抛り込まれてなお、マドロスが盛んに泣き叫んでいるのを、こちらの室では、もゆる子と茂太郎とが聞きながら、痛いような、くすぐったいような、バチだから仕方がないというような、でもかわいそうねというような、殿様に頼んで縄を解いて上げましょうかというような、いいえ、それにしてもまだ早いわ、もう少し泣かしておきましょうよというような表情で、面を見合わせて語り合っている。
ところがまもなく、米飯と、野菜と、魚肉とを、一つの皿に盛り上げたのを持って、物置へ入って行く金椎を見る。