Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Leggi 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 368.567 caratteri · 720 schermate
では、黒船に見とれている間に、案の如く、両虎は共に傷ついて砂浜に倒れたところを、無雑作に波が来て、さらって行ってしまったのだろう――あとかたもない。
田山白雲は手の中の珠でも取られたように、なんとなく心に一味の哀愁を覚えつつ、さて、今は全く、ながめやるべき焦点を失い、最初の茫洋たる豪興を回復するまでの間、無意識に砂浜を歩み――足は本能的に南の方、黒船の走って行った方向、決闘の行われていたと同方向に向って、そぞろ歩きの体でありましたが、やがて砂浜を右にさまようて、またも松原続きの中に入りました。
海を避けて林に入ったのではなく、この林を抜けて、また彼方に渺茫たる海を見ようとして進み入ったものであります。
ところが、この松林が意外に深く、これに入った白雲の足どりが、存外要領を得ていなかったものだから、松林を行きつ戻りつ、嘯く人のように見えました。
四十三
海を見て杜へ入ると、気分が全く転換する。
雑林地帯と違って、下萌えのない芝原に、スクスクと生い立った松の大幹の梢が、豪宕な海風と相接する音を聞くと、言わん方なき爽快と、閑雅にひたされる。