Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Leggi 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 368.567 caratteri · 720 schermate
「あれから、君たちはどうした、あの女も一緒か」
「あれか――いやどうも面目がない」
丸山勇仙が顔を一つ逆に撫でて、面目ない様子をしながら、ケロリとしている。
「無事に、浅間まで送り届けてくれただろうな」
「それがさ……」
「では、一緒にここへでも連れて来たのか」
「それがさ……」
いやに彼等二人はニヤニヤして、歯切れのいい返事をしない。
兵馬は、机に近い程よきところに席を占めて、
「そうして、拙者がここへ来たことを、君たちは、知ってたずねて来ましたか、或いは偶然にここへやって来たのですか」
「雪に足あとがあるものだから、こいつ狐の足跡ではない、多分、君の足あとだろうと思うから、それを伝って、とうとうこれまで入りこんだというわけさ」
とはいえ、この辺こそ雪だが、松本あたりはまだ雪ではあるまい。
しかし、いずれにしてもこの二人の来合わせたのは、偶然ではなく、兵馬の足あとをかぎつけて来たものであることは、疑いがないらしい。
とすれば、あの女はどうしたのだ。
中房からの道、兵馬のあとに追いすがって来たあの女はどうしたのだ。もと浅間の芸妓であったという女。
兵馬がもてあましたところを、二人が引受けたはいいが、兵馬は、手放してかえって持扱っている。