Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Leggi 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 268.946 caratteri · 520 schermate
、こいつを生かして置いて、可愛がってやろうなんていう奴には一人も出くわさねえのさ。脈を見たり、薬を盛ったりしてやる時に、腹ん中じゃ、こう思ってんだね、手前たちゃ、道庵ほどの者にこうして脈を取らせたり、安くねえ薬を調合させたり、お手数をかけて、そうして生きていてもらわなけりゃならねえほどの代物じゃねえんだが、道庵もそれ、商売となってみれば、こうしてやらなけりゃ食って行けねえ、今いう通り、食って行くだけじゃ生き甲斐がねえ、食っての上に生き甲斐をもあらせようとするには、それ、一杯も飲まなくっちゃあやりきれたものでねえ、そこで、商売上やむことを得ずしてお前たちを助けようてんだ、あんまり大面をするなよ、と内心こう思って脈を取ったり、薬を盛ったりしているんですよ、正直のところ」
「では先生、禅学のお方がよくおっしゃる、仏心鬼手なんておっしゃいますけれど、先生のは、それと違って鬼心仏手なんですね」
「違えねえ――」
と道庵がまた、額を丁と打ちました。
五十六
「違えねえ、愚老なんぞは、その鬼心仏手というやつで、心にもねえ人生かしをして来てるんだが、日蓮上人も言ってらあな、身は人身に似て実は畜身なり――」