Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Leggi 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 268.946 caratteri · 520 schermate
その途端にお銀様が井戸の流しの一方を見て、
「幸内、あれは何?」
「あれが、その、今お話の、二人の亡骸でございます」
「え」
お銀様は目をみはりました。
六十五
「あれが、さきほど兵作さんがお話しになりました、罪の男女の亡骸なんでございます」
二人が目を合わせて注視したその井戸側の一方に、薦をかぶせて、犬か猫なんぞのように置き捨てられた二つの物。
「ごらんになりますか」
と言って幸内は、そろそろ歩みよって、まずその一方の薦を、ちょっと刎ねのけて見ると、刑余の死人のその男の方と覚しいのがまず現われました。お銀様は、やや長いことそれに目をつけていたが、
「おや、この男はお前によく似ている」
「お嬢様、こちらの方もごらんになりますか」
と言って幸内は、男の方のにしずかに薦をかぶせて、他の一方の薦をしずかに払って見ると水々しい女。しかも、前の若いのとは年齢に於ても、だいぶ隔たりのありそうな大年増。それもなかなかかっぷくもよく、品格もある相当大家の奥様といっても恥かしくないほどの女房ぶりでした。
前の男の方のを見ては、これはお前によく似ていると幸内に向って言ったお銀様も、この女の方を見ては、義理にも、わたしに似ているとは言えないほどの隔たりがあるのであります。