Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Leggi 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 268.946 caratteri · 520 schermate
「まあ……」
その時、お内儀さんは真赤になってしまいました。
もとよりこのお内儀さんは、出立間際に、若い番頭に向って、ああいうことを言ったけれども、なにも本心からこの男を好いて不義を働こうとしたわけではなく、主人の浮気おさえの目附役として、番頭を手なずけて置きたいという女心に出たものなのでしたが、事態がこう急転してみると、まるで演劇の廻り燈籠を見せられるように目がくらんでしまいました。
しかし、好きこのんで行うわけではないが、真に憎い奴というわけでもない、若い番頭からこう言われてみると、なるほど、それがまた主人の本心であったかも知れない、へたに親類身よりに荒されるよりは、気心も心得ているし、商売ものみこんでいる、この若い番頭のほかには、いよいよとなると頼みになる者はない――と主人も心づいたというのが無理にも聞えないし、自分にしても、そう思われないことはない。
そうして、お内儀さんは、とうとうこの若い番頭に許してしまいました。
許してしまってみると、自分より年下でもあるし、また働きもあるし、子供たちの面倒も見てくれるし、若い身空を後家入りをした番頭のために、こっちよりも、向うを可愛ゆく思って、夫婦仲も極めてよろしく、そうして三年の間に、二人の間にまた一人の子供まで出来、商売もいよいよ繁昌し、家内も、平和と