Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Leggi 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 268.946 caratteri · 520 schermate
「なるほど、シルクとは絹の洋語か」
「左様でございます、この繰り上げた絹糸の肌ざわりというものが、とんとたまらぬそうでげして、洋人という洋人が、これに参らぬのはござんせんそうで、ことにイタラの国の絹よりも、支那出来の絹よりも、日本の絹が、世界のどこの国にも増して光輝があり、肌ざわりがよろしく、西洋人は、日本のシルクというと目が無えんでございます、日本のシルクでなければ夜も日も明けぬ、いくら高金を出しても日本のシルクを買いたい、という御執心なんでげすから、有難いもんじゃあげえせんか」
「ふーん、日本の絹がそんなにあいつらには有難えのか」
「有難えのなんのって、全く眼が無えんでございますが、蚕の口から出たシルクでさえ、そのくれえでげす、まして生きたシルクと来ちゃ、命もいらねえということになるのは理の当然じゃあがあせんか」
「何だそれは。生きたシルクというのがあるのか」
「有る段じゃあがあせん、つい、その目の前に……」
「何だ、目の前に生きたシルク、わからねえ、目の前に絹糸なんぞはありゃしねえ」
「殿様も頭が悪くていらっしゃる、それ、目の前に生きたシルクが装いをこらして、控えていらっしゃるじゃあがあせんか」