Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Leggi 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 268.946 caratteri · 520 schermate
「ヤレ、コリャ、いんま、いかずいかずと言いよるに、おこずるな、おこずるな」
「ええ、はようやらまいか、その頭どうじゃ」
「はらの煮える、いんま幕があいて、みがとが出よるところじゃに、誰なと代りに出さずと思うても、おぞい奴等じゃ、どやつもこやつも、今こまいとぬかしよる」
こう言って、道庵のあとから駈けつけて来るものがありましたから、道庵がそれをふり返って見ると、ところの男、もう一人の女の手を引きずって駈けて来る。様子が変だから、なおよく見ると女の鬘をかぶって、顔はところまだらのおしろいをベタベタとつけている在郷衆だ。そのあとから弥次馬がワイワイ駈けて来る。その体を見ると道庵先生が早くもさとって、
「やあ、来たな、どこぞ近いところに素人の芝居があるぞ、こいつぁ一きり見ざあなるめえ」
と言って、忽ちその輩にくっついて駈け出しました。
ほどなく、鎮守の社へいって見ると、歌舞伎の柱を押立てて緞帳をつり、まわりへ蓆と葭簾を張りめぐらしてある。木戸は取らない、野天の公開ですから道庵もうれしがって、見物の中へ割込んで、早くも相当の席を占めてしまいました。
まもなく、場の内外は立錐の余地もない景気、やがてカッチカッチと拍子木が鳴る。