Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Leggi 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 268.946 caratteri · 520 schermate
そうして、仏頂寺の倒れたのを抱き起して見たのです。
「仏頂寺――仏頂寺」
兵馬は、声高く叫び且つ呼んでみましたが、返事がありません。
あわただしく、それをそのままそうして置いて、丸山勇仙を抱き上げ、
「丸山君――丸山――丸山勇仙君」
と、立て続けに名を呼びましたけれども、これも返事がありません。
仏頂寺は立派に腹を切り了えた上に、咽喉を掻ききっている。これは反魂香の力でも呼び生かす術はない。
丸山勇仙の死体は拾い起して見ると――これは五体満足ではあるけれども、すでに硬直し、冷却していることは仏頂寺以上で、ただ、何をもって死んだか、殺されたかの形跡が明らかでない。
「仏頂寺君、丸山君、君たち、なぜ死ぬなら死ぬように言ってくれない――」
と、兵馬は二人の死骸を打ちながめて叫びました。
「こういうことと知ったら隠れているんじゃなかった、出て来ればよかった――君たちは死ぬためにここに落着いていたとは、気がつかなかったよ――死ぬんならばこちらにもしようがあったのだ、目の前で二人を死なせながら見殺しにした」
兵馬は泣いて叫びました。
十八
その夜、上平館の松の丸のあの座敷の、大きな炉辺に向い合って坐っているのは、お雪ちゃんと宇治山田の米友でありました。