Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
Leggi 大菩薩峠16 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 268.946 caratteri · 520 schermate
払って置いて相当の弁明が聞かれなければ、もうそれまで――そういう覚悟をきめることには未練のない男です。
そこで、足場を見計らってお手のものの杖槍を二三度、素振りをしてみてからに、懐中へ手を入れると、久しく試みなかった菱の実のような穂先を取り出して、しっかとその先を食いこませたものです。
その時また、わあっ! と両岸で山の崩れるような鬨の声。
三
全く理不尽千万な、乱暴至極な、前後から一応の弁明もさせずに、竹槍の槍ぶすまを作って、米友一人と、駄馬一頭とをめがけて襲い来る暴挙。これは甲州街道の雲助でさえもあえてしなかったところの兇暴です。しかし、事ここに至っては、いかにことを好まない米友であるにしてからが、勢い決死的に応戦の覚悟をきめること以外には、正当防衛の手段は無いのです。
躍り立った米友は、その応戦の準備をしている途端に、なんだか急に、風向きが変って、予想の当てが外れたようにも受取れる――それは、自分と馬とにばっかり向って来るものと思いきっていた両岸の竹槍の槍ぶすまが、決して引返したというわけではないが、ある地点へ来ると、明らかにその槍先の当てが違っている、向きがそれているということを米友が認めました。