Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Leggi 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 319.771 caratteri · 617 schermate
「よいお天気でがすよ。時に、この塔はこりゃ、いったい何でござんす」
と道庵先生がたずねますと、右の中年僧がニコニコして、
「あねさん塚でござんすよ」
「あねさん塚?」
「ええ、これが有名なあねさん塚でござんすが、尋ねて下さるお方は甚だ少ないでごわしてな」
その甚だ少ない中の、自分が一人であると見立てられると、道庵先生いささか得意にならざるを得ない。
「いや、それほどでもないですがね、あねさんとは申しながら、これほどのものを無縁塔にして置くのは惜しいと思いましてな」
あんまり要領を得ない返事をします。右の中年僧が、改めて道庵先生のために説明の労を取りました。
「いや、無縁ではございませんが、まあ、一種の悪縁とも言うべきでしょうか、これほどのお方の遺蹟が、すっかり世間から冷遇されることになりましたのは、遺憾千万なことでござんすよ」
「あねさんも、世間からそう冷遇されるようになっちゃあおしまいだ。いったい、あねさん、あねさんと言わっしゃるが、ドコの何というあねさんなんですね、まさか本所のあねさんでもござるまいがなあ」
と道庵が言いますと、中年僧は、
「あねさんというのは俗称でござんしてな――実は五大院の安然大和尚のこれがその爪髪塔なんでござんすよ」