Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Leggi 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 319.771 caratteri · 617 schermate

Aozora Bunko

そうすると、投げ足の弁天様は、名前通り足を投げ出したままで、これに答えるようは、

「それはお気の毒千万なことだが、お前さんの人相を見ますと、お前さんの前世は六十六部でした、そうして貪慾で、貰うことばかり一生懸命で、人に施しということをしたことがありません、その報いで、お前さん母子が今のように貧乏に苦しむのですから、いわば因果応報で、如何とも致し方がないのです。しかし、お前さんは勉強家で且つ親孝行だから、一つわたしが手段方法を教えて上げましょう。それというのは、お前さんが前世で六部の時代に、それほど貪慾の罪を造っていたが、ただ一度だけ施しをしたことがある、それはお前さんが、心あって施しをしたのではない、ある時、前世のお前さんは樹上の梨を取って食べた、そうして甘いところの実は、すっかり自分で食べてしまって、食べ残りのしんを路傍へ抛り出したが、そのしんを地上で餓えた蟻が這いよって食べて、それで蟻の命が救われた、お前さんには、たった一つのその功徳がある。その蟻が今の世で人間となって京都へ生れ、木屋町で豆腐屋を開いて、相当に繁昌している、よって、お前さん、母御をつれて、その豆腐屋へ行って相談してごらんなさい」