Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Leggi 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 319.771 caratteri · 617 schermate
彼の今日に至るまでには、血の歴史がある。血の歴史と言ったところで、人を斬って見るその血のことのみを言うのではない、自分の精神的にだ。精神的に、血涙を呑むの苦闘を嘗め来った、それを言うのだ。近藤を蛮勇一辺の男とのみ見る人は、その胸臆をよく知らないものだよ、彼は珍しく純なところのある血性の男児で、憎むことを知る男だよ。彼にこの血性の有する限り、血の歴史はまだまだ続くよ」
斯様に語り来った新兵衛の言葉には、幾分なりと近藤に対する同情がほの見える。いわゆる勤王方の中心勢力たる薩摩のうちに、かえって近藤を諒解する男がいるということを、竜之助も不思議なりとして、
「あれはあれだけの男だろう、あれの器量として、今の地位は過ぎたるものか、及ばざるものか、その辺は拙者は知らない、だが、あれもいい死にようはしないだろうが、死場所を与えてやりたいものだ」
何とつかず竜之助が、斯様に挨拶したのを、田中新兵衛はまた高笑して、
「は、は、は、その点は御同様、君も、僕も、いい死にようはできなかった」
できなかったがおかしい。できなかったでは過去になる。過去に解決を告げてしまった語法文法になる。