Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

Leggi 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 319.771 caratteri · 617 schermate

Aozora Bunko

「やっつけた?」

口々に囀って来るのを、

「なんでもない、お客様がいらしったのだよ、怖くないから早くおいで、おいで」

招き寄せて、その先頭の掲げていた雪洞を自分の手に受取って、そうして、御簾の間の部屋の中に差し入れて見ました。

二十四

雪洞を入れて見ると、広くもあらぬ御簾の間の隅々までぼうと明るくなる。

見れば、座敷の真中に一人の男が仰向きに爛酔して寝ていること、音で聞いて想像した通り。ただし、この想像は、一人の酔客があって、爛酔して譫語を発しているという想像だけで、その客の人相骨柄というようなものは、雪洞の光を待って、はじめて明らかなるを得たのです。奔馬の紋のついた真白い着物を着た、想像よりはずっと痩形だが、長身の方で、そうして髪は月代で蔽われているが、面の色は蒼いほど白い。爛酔という想像から、熟柿のような息を吹き、同時に面ざしも酒ぶとりのした樽柿のような赤味を想い浮べてみると案外にも、これは蛍を欺かんばかりの蒼白さなのです。それで、月代の乱れ髪の髪の毛も相当に黒いのですから、その蒼白みもよけいに勝って見え、それが眼をつぶって、とろんとした酔眼を爛々としてみはっているというものでなく、全く眼をつぶって、両の掌をぼんの凹あたりに当てて組合わせながら、天井を仰いで泡を吹いているのです。